【読書】『ヒトは「いじめ」をやめられない』
赤い表紙があまりにも目立っていたので、手に取ってしまいました。
いじめなんて、本当にしょうもない行為だと思っているんです。どっちにとっても時間の無駄だなって。
でも、この本は、いじめることはDNAに組み込まれていることだということで…うーん、なるほど。
人間って複雑なようで単純なようで…やっぱり面倒な生き物だなぁ…と思いました。
INDEX
『ヒトは「いじめ」をやめられない』
「子どものいじめ撲滅」に向けて、大人たちが尽力している一方で、大人社会でもいじめによる事件が後を絶たない。これは、「いじめは本来人間に備わった“機能”による行為ゆえ、なくすことは難しい」という一面があることから考えるとうなずける。ならば、いじめに対するアプローチ法を変えて、その回避策を考えていくことが、良好な人間関係を維持するための最善策だ。本書では、子ども、大人の「いじめ」に関して、どのように防止・対応していけばよいのか、脳科学の観点から論を進める。
(「BOOK」データベースより)
いじめは生き抜くために起きる
生物として、人間は強くありません。
なので、
群れることで生きていける=ひとつの群れの中で異質なもの→排除しなきゃ生き抜けない!
ということで、人間の機能としていじめが起きるのだそうです。
いわば本能なので「いじめは悪い」と言われたところでやめられることではないということです。
この本でちょっと面白かったのは、いじめは「悪い人」ではなくて「正義感の強い人」がしてしまうということ。
なるほど、生き抜くためと思うと、納得です。
また、大人のいじめなんかは特にそんな言い訳がなされているからなくならないんだなと、考えてしまいました。
「逃げればいい」っていうけど…
子どもだって、いじめられたなら無理せず転校していいって、この本では書いています。
が…わたしの考えで申し訳ないんですけど、なんで?て思うんですよね。
立ち向かえばいいなんて、思いません。
いじめてる方が辞めたり転校したり、いじめちゃう心の病を治す努力をするべきじゃない?と、思うんです。
大人なら、無理して少ないお給料稼ぐ必要ないって、言いますよね。私もそう思います。
でも…辞めて、生活費どうなるの?
少ないお給料なんだから、貯まらないし…。
貯まってるからできることであって、嫌でもお金の問題で辞められない人だって、会社自体は嫌いじゃない人だっているはずで…いじめられてるから辞めたらいいって、乱暴なんじゃないかなと思う時もあります。
いじめた側が辞めるべきじゃないかなと思います。
外国ではいじめた方がカウンセリングとか受けるらしいけど、日本では、そんなの難しいですもんね…。
だから、お金よりも自分が大事と割り切って、やっぱり自分が壊れてしまう前に逃げるしかないのだろうなぁと思いました…悔しいけど…。
いじめ対策
この本の後半は、具体的な対策が書いてあるんですけど…実践するのはなかなか難しいかも…?と感じました。
妬みは、「プロ意識を見せ、獲得可能性を下げる」で解消できるというのが、その通りだし、でも、簡単じゃないからそれまでが辛いなぁ…とか、相手との距離はどうしても遠くなるなぁ…とか。
そのほかにもいろいろあるんですが、子どものいじめが行われる場所はだいたい決まっているので、そこに監視カメラをつけてしまえばいいというのがあります。
手っ取り早いですよね。むしろなにがやましくて嫌なのか、とか考えてしまいます。でもそこまでしなくてはいけないというのも、なんだかかなしいんですよね。
だけど、いじめることは私たちの本能なので…こうしてかわしていく方法を身につけるしかないのかなぁ…確かに自分を変えるしかないんだけど、いじめられる側が対策するしかないのかぁ…というのが、この本を読んだ感想です。
どちらかというと、本人よりもまわりの人が読んでみた方がいいかも…。
この本は大人よりも子どものいじめに重点を置いているので、お子さんがいる方や教育関係のお仕事の方には特におススメです。
それ以外でも、人をまとめる立場にある人にもオススメします。
いじめって、知らないうちに起きているものだから…なにか突然耳に入ってきた時に、この本の知識があれば、第三者の目で冷静に見ることができるかもしれません。
ありそうでなかった本かな、と思います。
↑の漫画バージョンもあるようなので、よかったら読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。